認知症の鉄道事故、保険で備えを 個人賠償、拡充の動き

 

認知症の鉄道事故、保険で備えを 個人賠償、拡充の動き:朝日新聞デジタル

 認知症の人が起こした鉄道事故に対応するため、損害保険各社が「個人賠償責任保険」を拡充しています。列車の遅延損害をカバーしたり、補償を受けられる人の範囲を広げたりしています。

 個人賠償責任保険は、加入者本人が入った保険で本人のほか、家族が起こした事故もカバーできるのが特徴だ。火災保険や自動車保険などの特約としてつけるのが一般的だ。他人にけがを負わせたり、物を壊したりした場合は補償される。

 三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損保は1月から、認知症の人が線路に入るなどして列車を止めた場合の損害賠償もカバーできる特約の販売を開始。鉄道会社から請求される列車の振り替え輸送費などをカバーする。従来の保険では、物の損壊を伴わない損害はカバーされない可能性があった。

 また、2社や東京海上日動火災保険損保ジャパン日本興亜は従来の特約を改定し、本人に対する監督義務を負う者も対象に加えている。通常、個人賠償責任保険では補償を受けられる「被保険者」は加入者本人と配偶者や同居の親族などに限られる。

だが、改定により、認知症責任能力がない人が事故を起こしてその家族が賠償を求められた場合、本人と別居中であっても監督義務を負う者であれば補償される。

 保険金1億円の設定で、保険料は年額1千~2千円程度という。ファイナンシャルプランナーの塚野玲子さんは、個人賠償責任保険について、「家族に認知症の人がいるようなケースでは、『必要経費』と割り切って家族のなかで検討してもよい」と話す。

 対象となる事故の範囲、示談するための交渉サービスの有無などは各社で異なるので事前に確認が必要だ。特約の改定前に、個人賠償責任保険に加入している場合、被保険者の範囲が拡大されるのは次回の更新時期になるので注意が必要だ。(立松真文)

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 〈認知症の人の鉄道事故訴訟〉 愛知県で2007年に認知症で徘徊(はいかい)中の男性が列車にはねられて死亡。鉄道会社が家族に電車の遅延による振り替え輸送費など約720万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。昨年3月、最高裁は、同居の妻と別居の長男について、監督義務者にあたらず賠償責任はないとする判断を示した。

http://www.asahi.com/sp/articles/photo/AS20170329004129.html



日本地域ケア協会

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